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美空ひばり≪ベスト盤≫(アナログレコード2枚組)

¥ 14,040 (税込)
  発売日:2016年4月1日     海外発送:可
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著者名/演奏者名:
美空ひばり
型番:
SSAR-005~006

●限定1,000枚
●45回転 180g重量盤

 

名匠・武沢 茂、一曲入魂のカッティング。
美空ひばり初の45回転30cm重量盤を聴く

美空ひばり≪ベスト≫



【クリックで拡大】

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収録曲

[Side 1]
1. 悲しい酒 (セリフ入り) 1982年録音
2. みだれ髪

[Side 2]
1. 愛燦燦
2. 舟唄

[Side 3]
1. 悲しい酒 (セリフ入り) 1966年録音
2. 影を慕いて

[Side 4]
1. 川の流れのように
2. 津軽のふるさと

アナログレコード(2枚組)45rpm


 このステレオサウンド・アナログ・レコード・コレクションの「美空ひばり」特別制作限定盤は、ステレオサウンド・フラット・トランスファー・シリーズにて選曲された6曲に「津軽のふるさと」と「舟唄」の2曲を合わせた全8曲構成の2枚組アルバムである。

 デジタル時代の中で敢えて「アナログ再生への挑戦」とも言うべき高音質、高品質を追求し作り上げたこの盤は、全曲オリジナル・マスターテープを使用し、メタルマスター・スタンパーからのダイレクトプレスを行なっている。

 その原盤となるラッカー盤のカッティングは、美空ひばりはもちろんのこと、ちあきなおみ、弘田三枝子、島倉千代子といった日本名歌手のレコード制作を手掛けてきた日本コロムビア株式会社の名匠・武沢茂チーフ・エンジニアの手により行なわれた。

 早咲きの桜が見頃を迎えた2月中旬、筆者は武沢のマスタリング&カッティングルームを訪ねた。収録曲の中から3曲「愛燦燦」「悲しい酒(セリフ入り)1982年録音」そして「影を慕いて」のオリジナルマスターの音を聴かせていただいたが、勿論、私には生まれて初めてのことであった。昭和を代表する大歌手で、幅広いレパートリーを歌った美空ひばりのオリジナルマスターを聴いたとたんに、味わい深い歌唱と、当時の録音スタッフの熱い思いが、ひしひしと伝わって来るのを感じた。

 意外だったのは歌とオケのバランスであった。一般的に特に「演歌(艶歌)」と呼ばれる曲のバランスは、とにかく歌がメインなのであって、オケは少し控え目な音量で聴こえてくるのが当時の作品では通常である。だから美空ひばりのスタジオ録音のオリジナルマスターも、それに近いバランスで聴こえてくるものと私は思っていた。ところが、聴かせていただいたオリジナルマスターのサウンドはどの曲も、歌が伴奏楽器と同じ距離感で決して突出することなく、程良くバック演奏の中に溶け込んでいて、双方が一体となってそれぞれの楽曲の世界を見事に演じているし、最終コーラスで曲全体が盛り上がる場面では、歌とオケが絶妙なバランスでミックスされ仕上げられているのであった。まさに大スターのプロジェクトだからこそ為し得るチームワークの偉業であり、マスターの完成度は圧巻であった。

 今回、これらの計り知れないほど貴重なオリジナルマスターからのカッティングに際して最も気を配った点は、やはり「歌とオケのバランスだ」と武沢は語った。マスターテープ上に音として残された“歌の心”が、そのまま聴き手に届くように作業を進めていかなくてはならない。

 それではここで、マスタリングからカッティングに至る今回の作業プロセスをご紹介する。まず使用したオリジナルマスターについてだが、SIDE 1の1曲目「悲しい酒(セリフ入り)1982年録音」はコロムビア製カスタムメイドPCMレコーダーによるデジタル・マスターテープ。これは美空ひばり初のデジタル録音のサウンドである。

 次にSIDE 4の1曲目「川の流れのように」はソニーPCM3402レコーダーによるデジタル・マスターテープである。他の6曲は、すべてアナログ・マスターテープである。デジタル・マスターサウンドはそれぞれのテープレコーダーのアナログ出力からコロムビア製カスタムメイドのアナログ・コンソールを通してdCS902 A/Dコンバーターで96kHz/24bitに変換され、カスタムメイドのデジタル・オーディオ・ワークステーション(DAW)に保存される。一方、アナログ・マスターサウンドはスチューダーA80テープレコーダーで再生され同じくアナログ・コンソールを通してdCS902 からDAWに保存。この間で必要に応じて音質調整やレベル調整を施すのだが、今回の制作工程ではマスターサウンドの質感を生々しく再現するために意図的に音圧を稼ぐためのコンプレッサーは一切使用していない。

 このLPに関しての音調整は、通常のLP制作時に見られる、ひとつのフルアルバムとしてすべての曲が統一的な音になるよう調整を施すというやり方ではなく、45回転のシングル盤を8曲分作るという考え方に基づいて1曲ごとに独自の相応しい調整がなされている。すべてにおいて武沢による精緻な調整がなされたサウンドは、DAWからdCS952 を通してD/Aコンバートされノイマン製カッティングアンプSAL74B に入り、カッターヘッドSX74 を搭載したカッティングマシンVMS70 でラッカー盤が作られていった。カッター針には、個体差を吟味しつつ、また、使用するラッカー盤との相性をも十分に見極め、最大限切れ味のいいADAMANT製の選別サファイア針を採用した。

 今回のカッティングで武沢は、SIDE 3の「悲しい酒(セリフ入り)1966年録音」と「影を慕いて」の2曲のカッティングにおいて、美空ひばりの声質を損なわない聴かせどころに最も意を注いだという。商品としてでき上がるLPレコードの盤質の音をも想定し、カッティングからテスト盤そして最終プレス盤に至るまで、オリジナルマスターの音質そのものをトランスファーすることに徹底的に拘りぬいた。目的を達成するためにはカッティング時に何を為すべきかを、彼は熟知しているのである。同様に、プレスを行なった東洋化成の技術陣も、盤の材料の配合比、圧搾時間、熱量の絶妙な調整で、武沢が求める期待に見事に応えている。

 マスターサウンドそのもののために一切の妥協を排した両者の“こだわり”の結実が、極めて高いS/N感を持って美空ひばりの抑揚感ある生々しい歌声と表情を密度の高いサウンドで蘇らせた。

 ご愛聴のオーディオシステムで、美空ひばりの“歌心”を十分に感じ取っていただきたい。

文・常盤 清





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